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「大阪・教育基本条例案の制定の動きに対して、再び反対する」アピール

 昨秋、私たちは「大阪府教育基本条例案反対」のアピールを発表し、期待を超える多くの方々の賛同を得、去る1月には大阪において反対のシンポジウムを開催してきました。そして、いよいよ、条例案が審議される大阪府、大阪市の両議会が始まりました。この時に当たり、私たちは、再び、「教育基本条例案」(教育行政基本条例案・学校条例案・職員条例案)に反対するアピールを公表したいと思います。
 「大阪維新の会」の教育基本条例案は、違法であるという事実と市民の批判の前に、府教育委員会の提出した対案をもとに作り直しを余儀なくされました。しかし、作り直された知事提案は、「維新の会」の案と本質的に変わっていないと言わざるをえません。
 知事の「教育目標設定」はなくなりましたが、知事が教育委員会と協議して「教育基本計画」を作成するといいます。知事が独善的に教育目標の類を「教育基本計画」に入れれば、教育基本法が禁じている権力の介入と同じことになります。知事が教育委員を業績いかんで罷免する、違法の規定もなくなっていません。命令通りにならない教職員を免職にする規定も残りました。これは今年一月に「君が代」の起立斉唱に関して最高裁判所が下した判決に反します。また、府立高校の統廃合や学区撤廃など、競争原理を導入する条文もそのままです。
 この間、私たちの心配を裏付ける事件がおきました。橋下徹大阪市長による、市職員への「思想調査」の強要です。職員の思想良心を歯牙にもかけず、人格を無視したような服従を求める人物に「教育改革」を委ねていいのか。そのことが問われています。
 教育は、命令と服従では成功しません。また、子どもはただの人材ではなく、個人としての尊厳を尊重されるべき人間です。競争による人材養成はあまりに時代遅れであり、非人道的と言わざるをえません。今必要なのは、その逆の、教育のすべての関係者(そこには首長や教育行政も含まれますが、保護者も子どもも教職員も含まれるでしょう)の合意と信頼の形成であり、子どもが安心して必要なことを学んでいける環境づくり、教師が専門的な能力と見識にもとづいて教育ができる環境づくりです。
 大阪府の教育環境を改善し、子どもの豊かな成長のためにどんな学校と教育行政が必要かを考えあい、つくりだす輪を広げるために、「教育条例案」を大阪府議会、大阪市議会において廃案にするまで、皆様と共に最後まで闘い続けたいと思います。

2012年2月28日 よびかけ人     
池田 香代子(翻訳家)     市川 昭午(国立大学財務・経営センター名誉教授)
尾木 直樹(教育評論家)    小野田 正利(大阪大学教授)
小森 陽一(東京大学教授)   佐藤 学(東京大学教授、日本学術会議会員)
高橋 哲哉(東京大学教授)   竹下 景子(女優)
野田 正彰(関西学院大学教授) 藤田 英典(共栄大学教授、日本教育学会会長


by oosakakyouiku2011 | 2012-02-28 19:56 | アピール

大阪・教育基本条例案に再び反対する」アピールを発表しました

w2012年2月28日
本日、2月28日、大阪市議会開会日にあたり、よびかけ人10氏が、「大阪・教育基本条例案に再び反対する」アピールを発表しました。東京(アルカディア市谷)と大阪(大阪市政記者クラブ)で、記者会見を行い、東京ではよびかけ人の佐藤学さん(東京大学教授、日本学術会議会員)と池田香代子さん(翻訳家)
が、大阪では、賛同者の池田 知隆さん(元大阪市教育委員長)と、田中恒子さん(大阪教育大学名誉教授)が記者会見を行いました
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写真はアピールを大阪市教育委員会、総務局に手渡す田中さん。

by oosakakyouiku2011 | 2012-02-28 19:53

シンポジウムを開催しました みんなで豊かな教育をつくろう

 1月28日、守口文化センター「エナジーホール」で開催したシンポジウムは、800人を超える盛況で成功しました。みなさんのご支援と協力に感謝します。
 シンポジウムの登壇者のみなさんの発言から、ごく一部をかいつまんで紹介します。
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佐藤学さん (教育学者、東京大学教授、前日本教育学会会長)
  「大阪府教育基本条例案」は、とんでもない悪法です。知事が教育目標を決め、それに従わない教育委
員は罷免できる。条例の半分以上が、処罰に関する規定になっています。“ 脅迫と恐怖によって教育を変えよう” という、とんでもない条例なんです。
 大阪の教師たちは、ほかの都道府県より困難ともいえる教育環境のなか、奮闘しています。“少しでも生徒たちに、質の高い教育を実践したい”、“差別のない教育を保障したい”と頑張っています。それら奮闘する教師を、どうやって支えていくか? 考えるべきは、まずそこでしょう。
 教育の根底にあるべきものは「信頼」です。私はどんな状況にあっても、子どもたちや教師たちのことを信頼したい。信頼のなかにしか、教育は成立しないと思っています。
 子どもは学び続ける希望を持っている限り、決して崩れません。たとえ生活環境などに困難を抱えようと、学ぶ希望がある子どもは決して崩れないんです。そしてその希望を支えるのは、教師と生徒、保護者たちとの信頼関係です。この信頼関係を破壊する条例案を、決して許してはいけません。

池田知隆さん (元大阪市教育委員長、元毎日新聞論説委員)
 「大阪府教育基本条例案」をみると、教育の現場を「支援」するのではなく、基本的に「支配」しようとしていますよね。先生たちを締めつけ、ムチでひっぱたけばどうにかなると思っています。でも、大阪の教育問題は、決して先生の問題ではありません。
 大阪は、経済的に苦しい家庭の子どもがほかの地域と比較しても多い。また、両親が離婚している子や、毎日朝食を食べていない子どもの割合が、全国的に高いことも知られています。子どもたちの学力を上げようとするならば、先生を締めつけるのではなく、まずこういった生活環境の厳しさみたいなものをなんとかしていくところから始める必要があると思います。
 教育改革とは、長いスパン(幅)で考え、皆で熟議をし、さまざまな教育手法などを検討したうえで行うべきものです。たとえ橋下さんが選挙で選ばれたからといって、教育委員会でほとんど議論されていないことなどを条例に掲げ、上から唐突に「これをやれ!」と言うのは、暴挙で、恫喝です。許されることではないし、教育の現場は無茶苦茶になってしまうことでしょう。

前田佐和子さん (地球物理学者、前京都女子大学教授)
 橋下さんは知事になってから、たとえば学力テストの成績の公表、学校選択の自由化、バウチャー(利用券)制などの教育改革案を出しています。これらはすべて、1980年代の終わりに、イギリスのサッチャー首相が国の教育予算をできるだけ削減しようとしてやったことです。しかし起きたことのひとつが格差の拡大です。学力テストで良い結果を出す学校にお金持ちの子どもたちが集中し、地域による貧富の差が大きくなっていきました。子どもたちの学力は低下し、治安も悪くなりました。現在、この改革は失敗だったとされています。
 ひるがえって日本はどうでしょう?学術研究の現場を支えている人の中に、30代なかばで年収300万円以下、数年雇用で健康保険も雇用保険もないという人が少なからずいます。高い教育を受けながら、彼らは非常に「安く使われて」いるのです。今や「エリートとそれ以外」という状況ですらありません。しかし橋下さんは、格差をさらに広げるような改革を行おうとしています。私たちは、どのような教育が子どもたちにとって望ましいか、よく考えなくてはならないと思います。

野田正彰さん (精神病理学者、関西学院大学教授)
 橋下氏は府知事になる前、自著の中で自分の子どもを殴って育てたことを自慢しています。時には数十分にわたって、殴り続けたこともあるそうです。しかし子どもは、殴ることでよりよく育つものなのでしょうか?あるいは「勉強しろ!」と怒鳴ることで、成績が上がるものなのでしょうか?そんなことは、決してありません。
 近代社会は人々に、幼いころからさまざまな抑圧を埋めこみます。たとえば「こんなことをしたら生きていけないぞ」とか、「社会から恐ろしい目にあうぞ」といった恐怖心を、無意識のうちに植えつけているのです。教育とは、このような恐怖や抑圧を子どもたちから取り除き、自分のいきいきした関心を社会に向けさせることに目的があります。橋下氏が掲げる「大阪府教育基本条例」は、抑圧と恐怖、弾圧を徹底しようというもので、教育の目的に真っ向から反するものではないでしょうか?
 今、求められているのは本当の意味でのリーダーシップです。脅しや抑圧でなく、現場で働く教師の思いをくみとり、教育に取り組む意欲を高めさせてくれるリーダーや改革こそが、求められているのです。

香山リカさん (精神科医)
 教育は子どもの成長に、大きな影響を与えます。でも、どんな教育がどんな影響を与えるのかは、実は簡単に言えることではありません。
 たとえば小学校時代、熱意もやさしさもあるが持病を抱え、学校を休みがちな担任の先生がいたとします。その先生は“授業がきちんとできない先生”として、保護者などの間で問題になっていたかもしれない。だけど生徒たちは先生が大好きで、みんなで一生懸命、その先生を支えようとした。その経験が、実はおとなになった時、とても役立ったり、自分を支える糧となったりする場合があります。逆に「これぞ良い教育」という信念を掲げ、授業や教育指導をバリバリ行う先生との出会いが、その生徒を長きにわたって苦しめる、トラウマとなったりする場合などもあります。
 「大阪府教育基本条例案」では教育が、会社の売り上げやスポーツ・チームの成績のような、目に見える結果がすぐ出るものだととらえられています。教育とは、すぐに結果が出て、判定できるものとは性質が異なります何がよい教育で教師かは、この条例が言うような単純なものではないのです。



 わたしたちは、条例を廃案に追い込むために運動を続けます。その一助になればと考え、登壇者のみなさんのよりくわしい発言をはじめ、シンポジウムの内容をまとめたパンフレットも作成しました。
 パンフレットの普及にご協力いただける場合はご連絡ください。
一部30 円( 10 部以上送料無料) でお送りいたします。
メール: oosakakyouiku2011★yahoo.co.jp(★→@)

by oosakakyouiku2011 | 2012-02-28 00:00 | お知らせ・報告
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私たちは、「大阪維新の会」が大阪府議会に提案している教育基本条例案について、大阪にとどまらず日本社会全体にとって見過ごせない問題であると考え、このアピールを発表することにしました。


by oosakakyouiku2011
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